伊藤麻由子のベビーキッズフォトについて

伊藤麻由子

2012年08月24日 09:07








私が撮った最初のベビーキッズフォトは、
他でもない、我が娘・梯梧(でいご)でした。

高齢出産で32週目という早産。
体重は1240gしかありませんでした。
授かり婚の私たちはようやく新居を決め
お引っ越しをしようとしたその日、
体調が変で病院に行ったらそのまま入院。
病院もあれこれ手を施してくれましたが、
「もう止められないです」と言われ数日後に出産でした。

生まれた我が子は小さくて小さくて。
分娩室には小児科の先生が待ち構えており、
一度も私が触ることなく、もちろんこの胸に抱くこともなく
「お預かりします」
との一言残してNICUに連れて行きました。

そして、我が子も母体も落ち着いた頃、
初めてマジマジとその姿を確認しました。
小さい体にたくさんのチューブや針が刺さっており。
私は心からきちんとおなかの中で大きくしてやれなかったことを詫びました。
私がもっとおなかの中のあなたと向き合って
動き回らずにゆったりしていたら
ママの中ですくすく育って
もっと楽にこの世に誕生できたかも知れない。


それでも生まれてきてくれてありがとう・・・


初めて頭をなでてあげることができ、
とても嬉しく涙があぶれました。

その時の写真がこのカットです。
自分で片手で撮りました。



私のベビーキッズフォトはここからスタートしたのです。


私はそれまで人物を撮影することは避けてきました。
アフリカなどの野生動物や
地球が作る大自然の姿などを収めてばかりで、
人の写真を撮影する思いが見当たらなかったのです。

でも、我が子が産まれて
これは残さないいけないものだと
気づきました。
世の中にはベビーの数だけ
それぞれの家族にドラマと思いがあります。

だから、ひとつでも多く残してあげたい、
写真という形で残してあげたい。


そんな思いで始めたベビーキッズフォト。
みなさんのお役に立てたら幸いです。




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